海街diary2「真昼の月」@吉田秋生(小学館フラワーコミックス)

待ってましたよ、発売されましたね。

海街diary2「真昼の月」です。

海街diary 2 (2) (フラワーコミックス)
吉田 秋生
小学館
おすすめ度の平均: 5.0

4 復調か
5 ラヴァーズ・キス?
5 気づきから生まれれる女性のしなやかさ
5 久しぶりに
5 鎌倉と四姉妹家族の肖像

好きなところは、「真昼の月」のエピソードで、藤井さんが幸に対して言う言葉。

「そういうロマンティックなことを考えるのは、たいてい男だから」

そのとおりだよ藤井さん。

ロマンティックというかナイーブというか、しょうがないね男ってやつは。

誰も寝てはならぬ9巻@サライネス[講談社:モーニングワイドコミックス]

GEROPPAが愛して止まないシリーズ「誰も寝てはならぬ」です。
9巻が出てたんですね(えっ!だいぶ前なの?)。

いいかげんで、テキトーなバツイチ(ゴロちゃんはバツ3だけど)中年男たちが集まるデザイン事務所「オフィス寺」のユル~イ日常のお話。

この作品を読んでると、仕事場じゃ、「ああしなきゃいけない」とか「こうじゃないとダメ」とか「早く!早く!」なんて言って、眉間にしわ寄せてる自分がなんか可笑しくなってきますね。

40超えて、こんないいかげんな人ばっかりだけど、コレでもいいんだ(フィクションなんでホントはいけませんが)って思うと肩の力がすうっ~と抜けて来る感じ。

最近、眉間のしわが深くなりかけたオヤジ諸氏にオススメです。

できそこないの男たち@福岡伸一[光文社新書]

福岡伸一さんの文章は、生命の歴史を語る壮大な叙事詩であり、科学的でありながらも、文学的なそれを超える美しさにあふれています。

その美しさは、本書で語られた、DNAを一冊の書物(ヒトをとらえてはなさい秘密の書物)にたとえた、その書物が持つ秘密の力に彩られているからなのかもしれません。

できそこないの男たち (光文社新書 371)
福岡伸一
光文社
売り上げランキング: 65

私たちは、もっぱら自分の思惟は脳にあり、脳がすべてをコントロールし、脳はあらゆるリアルな感覚とバーチャルな幻想を作り出しているように思っているけれど、それは実証さたものではない。消化管神経回路網をリトル・ブレインと呼ぶ研究者もいる。しかしそれは脳に比べても全然リトルではないほど大がかりなシステムなのだ。私たちはひょっとすると消化管で感じ、思考しているのかもしてないのである。人間は考える葦(あし)ではなく、考える管なのだ。

なんとも、食いしん坊のGEROPPAには、すごく腑に落ちる説ではありますが。

生物学って?難しくないの??ってかたもおもしろいのでぜひ読んで欲しいですね。
特に、完全なる生命である女性のために、せっせと色を運ぶできそこないの男たちにこそ。

新・自虐の詩 ロボット小雪@業田良家

業田良家が、自身の傑作「自虐の詩」を、タイトルの副題にしていということで期待の作品です。

新・自虐の詩 ロボット小雪
業田 良家
竹書房
売り上げランキング: 11309

キャラクターたちが、意志をもってストーリーを圧巻のラストへと展開していった「自虐の詩」とは違って、あくまで作者が訴えたいテーマをもって設定された、ラストへ向かって、淡々と物語が進行します。

キャラクターの魅力が、(特にクマモトさんみたいな強力なキャラが登場しないのが)少し物足りないけど、前半のギャグ4コマをかさねながら、後半のシリアスな展開への流れは秀逸です。

ホントに業田良家の絵なのか?ってぐらい、「偶然、心を持ったちょっと旧式の女性型ロボットの小雪」というキャラクターが見事に描かれています。

いい作品ですね。

今日の食事記録

朝 マクドナルド エッグマックマフィン、ハッシュドポテト、カゴメ野菜生活、コーヒー
昼 なし
夜 豚肉のショウガ焼き、ポテトサラダ、ごはん。
発泡酒350ml×2 焼酎×1

きのう何食べた?@よしながふみ(週刊モーニング:講談社)

「きのう何食べた?」 …スラッと答えられる人は、きっと幸せ。

週刊モーニングで連載中のよしながふみの作品。

きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)
よしなが ふみ
講談社

 40代の美貌の弁護士シロさんと、こちらも40代で美容師のケンジというゲイカップルの日常が、主人公シロさんが作る料理を中心としてストーリーが展開します。

美しさの維持の為、また、ゲイの孤独な老後の蓄財の為、1カ月の食費25000円というつつましさながら、毎回ヘルシーな和食中心のおいしそうな料理が紹介されてて、レシピ本としてもよいです。

今日の食事記録

朝 ごはん、みそ汁(とうふとわかめ)、大根葉とちりめんのふりかけ、卵焼き、梅干し
昼 弁当 今日は撮影するの忘れてました(鶏の唐揚げ、なすの煮びたし、ブロッコリーのおひたし)
夜 鶏の照り焼き丼、みそ汁(かぶの葉、油揚げ)、おでん(とうふ、大根、牛スジ)
  発泡酒350ml×2

私の男@桜庭一樹

「私の男」@桜庭一樹

私の男
私の男

posted with amazlet on 07.11.24
桜庭 一樹
文藝春秋 (2007/10)
売り上げランキング: 249
用があって立ち寄った紀伊国屋でジャケ(装丁)買い。
桜庭一樹の作品は初めてです。

朝の光に真っ白にかがやく流氷の下には、
真っ黒な海がどこまでも続く闇のようにひろがっていて、
流氷が分かつのは光と闇の世界、決して超えてはいけないその境目を
父娘は堕ちていく。

つめたく湿った空気感、臭気をまとった、なまなましく、うつくしいぶん体がすばらしい。

少女ファイト@日本橋ヨヲコ 「講談社イブニング」

少女ファイト いいです。

少女ファイト 3 (3) (イブニングKCDX)
日本橋 ヨヲコ
講談社 (2007/09/21)

今週号(NO.46 2007年10月18日(木)発売)
第23話「自己融解」から

由良木 政子(ゆらぎ まさこ)が、不本意な結果であった体力測定のやり直しを迫る伊丹 志乃(いたみ しの)と小田切 学(おだぎり まなぶ)に向かって言う。

はじめから特別な人間なんていねんだよ、
そいつがやってきたことが特別なんだ。

リバーズ・エッジ River’s Edge 岡崎京子

岡崎京子の代表作にして、マンガ史に輝く最高傑作。

リバーズ・エッジ (Wonderland comics)
岡崎 京子
宝島社 (2000/01)

あたし達の住んでいる街には
河が流れていて
それはもう河口にほど近く
広くゆっくりよどみ、臭い

河原のある地上げされたままの場所には
セイタカアワダチソウが
おいしげっていて
よくネコの死体が転がっていたりする

置き去りの死体(骸骨)、セックス、ドラッグ、妊娠、いじめ、過食症、ひきこもり、援助交際、家庭崩壊、同性愛、動物虐待、放火、焼身自殺、殺人(未遂)と様々な惨劇が、普通の高校生の日常とつながっていく。

いじめの対象で同性しか愛せない少年ヤマダは、セイタカアワダチソウがおいしげった河原の中で、腐りゆく死体を発見する。

自分が生きてるのか死んでるのかいつもわからないでいるけど
この死体をみると勇気が出るんだ

いじめにあい、片思いの同姓には想いを告げることはない。もしかして好きになれるかと考え、付き合った異性は、自意識の中に生きて、自分の事しか話さない。誰にも必要とされることはなく、死んでいないということだけで生きていることを確認する。

もう一人、この死体の愛好者であるモデルで過食症の吉川こずえは死体を見て

あたしはね、“ザマアミロ”って思った
世の中みんな キレイぶって ステキぶって 楽しぶってるけど ざけんじゃねえよって
あたしにもないけど あんたらにも逃げ道ないぞ ザマアミロって

この世界が、平坦な日常が、いじめも、決して届くことのない想いも、過食と嘔吐の繰り返しも、終わることなく永遠に続いていくことの絶望から逃れるために、彼らは死体という希望を共有する。

ヤマダとハルナが橋の上を歩きながら話すシーンでは、河の向こうに海の匂いを感じながら、朝を迎える

ここから海はそんなに
近くないんだけど
たしかに海の匂いがした

汽笛の音も確かに聞こえた

UFOは結局現れなかった。

東の空がぼんやり
明るくなってきた

朝がやってきた

繰り返し語られる朝のイメージは、微かな海の匂いは、閉塞感からの脱却を象徴し、まだ見たことのない新しい世界や未来の比喩で、訪れ来る朝は永遠に続く日常が、また始まることの絶望を象徴している。

しかし、これだけの様々なエピソードを盛り込みながら、物語として見事に完成されている事が奇跡的。作品としての完成度は驚くほど高い。

作者の岡崎京子は、1996年に起こった交通事故によって、休筆が続いているが、現在44歳になった彼女の作品を読んでみたいと、心からそう思う。

らも―中島らもとの三十五年  中島美代子

らも―中島らもとの三十五年
中島 美代子
集英社 (2007/07)
売り上げランキング: 378

故中島らも氏の妻「ミーコ」こと中島美代子によって、夫「中島らも」が、どのように生きたのかが、赤裸々って言葉が赤面し、素っ裸で逃げ出すぐらいの内容でありながら、淡々と、日記をめくりながら「あら、こんなこともあったわね。」って感じの独白調で語られる。

この本を読んで感じるのは、この妻でなければ、間違いなく、中島らもはありえなかっただろうなってこと。いかにして、あの奇才、中島らもが生まれたのか、らも氏の著作だけでは、見えなかった部分が「あぁ、そうなんだ」って、すうっと腑に落ちる感じ。

妻は、酒、ドラッグ、友人に差し出されるセックス、愛人ふーことの関係、夫のすべてを受け入れ許してしまう。
夫である「らも」は、「どこまでも許される」ということに対して、限界を求め、もがき続けながら、ついに果たせなかったのではないのかな。

つきつけられた正直さは、汚れた心に鋭い刃となって斬りつける。
大いなる「愛」は、不完全でひ弱な自尊心を、窒息させる。
絶対的な肯定は、ときに孤独であることよりも、絶望を抱かせる。

らもファンには必見の一冊です。

スカイ・クロラ (森博嗣:中央公論新社)

えー、すごく久しぶりの更新です。

長らく、入出力不全(体というか頭がね)に陥っており、まったく更新できておりませんでしたが、また、ボチボチと更新していきます、どうぞよろしく。

そんなことで、入力不全の回復に貢献してくれた、ありがたい本をいくつか紹介します。
相変わらず出力の方は不全(というか、もともと、たいしたスループットじゃない)ですのあしからず。

まずはコレね。
森博嗣「スカイ・クロラ」シリーズ(全5巻)

スカイ・クロラ

スカイ・クロラ
スカイ・クロラ

posted with amazlet on 07.09.18
森 博嗣
中央公論新社 (2001/06)
売り上げランキング: 12482

1巻「スカイ・クロラ」、2巻「ナ・バ・テア」、3巻「ダウン・ツ・ヘヴン」までは、文庫で買って、4巻「フラッタ・リンツ・ライフ」、5巻「クレィドゥ・ザ・スカイ」は単行本で購入、後に文庫で購入していた、前3巻の単行本もコレクション用に購入です。

読み始めると、とてもじゃないですが、文庫が出るまで待てませんでした。(5巻で完結というのところが絶妙だしね)単行本の装丁の美しさがこれまたすばらしい。

 最終巻の「クレィドゥ・ザ・スカイ」(物語の時系列では「スカイ・クロラ」が一番後)では、一人称がそれまでの主要な物語の語り手である、「カンナミ・ユーヒチ」「クサナギ・スイト」「クリタ・ジンロウ」のいったい誰なんだろう???って感じで最後まで物語が進んでいく。

いったい、だれなのかわからない、自我が揺らぎながら錯綜する語り手。

「自我だって、自分がだれかもわからないのに!」。

と、まあこんな感じですが、徐々に自我の不安定な語り手「僕」と、物語の主題とがリンクし、読み手である自分はというと、いつのまにか、語り手である「僕」に、どっぷりと感情移入し、『「僕」は一体だれなんだぁー!』っていう自己同一性の危機に陥っている。

このシリーズに登場する、彼ら、死ぬことのない永遠の子供たちである「キルドレ」は、戦闘機のパイロットとという命を賭したもっとも死に近い任務につくことにより、運命に、生に死に、向き合っている。

永遠の生とは、どれだけ残酷なことであろう。
どれほどの罪を背負いながらも、
どれほど悲しみを繰り返しながらも、
永遠に生きて行かねばならない。

彼らは、永遠の生を知るが故に、死を焦がれるほど渇望する。
自らの生を賭しても得られることのない死を。

彼女はただ一つを望んだ。
僕に殺してほしいと。
それで、僕は、彼女を殺した。
それが、僕の唯一の望みになった。
もし僕が殺さなかったら、彼女は自分で自分を殺しただろう。
それではあまりにも孤独だ。
(スカイ・クロラ)

押井守監督で、来年アニメ映画化されるらしいので、こちらも注目ですね。

ナ・バ・テア

ナ・バ・テア
ナ・バ・テア

posted with amazlet on 07.09.18
森 博嗣
中央公論新社 (2004/06)
売り上げランキング: 11401

ダウン・ツ・ヘヴン

ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven
森 博嗣
中央公論新社 (2005/06)
売り上げランキング: 8047

フラッタ・リンツ・ライフ

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life
森 博嗣
中央公論新社 (2006/06)
売り上げランキング: 10112

クレィドゥ・ザ・スカイ

クレィドゥ・ザ・スカイ
森 博嗣
中央公論新社 (2007/06)
売り上げランキング: 4917