本屋の店頭で森博嗣の「トーマの心臓」を見かけて、おっ買おう!と思ったのですが、いやいやまずは萩尾望都の原作のほうを先に読んでおくべきだと思って購入。
確かすごい昔(30年ぐらい前?)に読んで、かなり衝撃を受けたのだけれど、今となっては登場人物の名前もストーリーも全く覚えていなかったので、再読です。
小学館
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アガペーとしての愛?!
小説のような漫画。一巻に3時間かかった
作者は語る、フランス映画が本書執筆のきっかけ
よくわかりません
「愛」を説く作品
読後に、思わずため息が出るような、美しい物語ですね、「愛とは何か」ということがこの作品では描かれています。
愛のためユーリに死を捧げたトーマ。
静かな愛でユーリを見守るオスカー。
ゆがんだ愛でユーリに罪を与えたサイフリート。
激しい愛でユーリの心を開くエーリク。
ユーリは彼らの愛によって、罪を背負い、赦しを受け、そして愛にこたえ、自らが愛を与えるため、神に仕えることを決め、去っていく。
「これが僕の愛、僕の心臓」とユーリに宛てて書いたトーマの死については、はっきりとした答えが用意されているわけではありません。死によってユーリへの愛を永遠のものとしてとどめておきたかったのか?それともユーリの罪を贖うためその罪を背負って死んだのか?
この物語、ユーリ、オスカー、エーリクをそれぞれ中心に読んでみると3つの異なった作品として見えてくるのではないでしょうか。
しかし、近頃の萩尾望都の絵は、どうしてこのころのような、柔らかさなやさしさをなくしてしまったのだろうか?