GEROPPAお気に入りの、福岡伸一先生の新刊です。
木楽舎
売り上げランキング: 99
『教祖』に化ける可能性は杞憂か?
生命に感じる諸行無常
生命について、今一度考え直してみる良い機会をくれた良書
啓蒙的良書
学者の役割をよく果たしている本
本作は、雑誌ソトコトの「エレメント・フラグメント・モーメント−等身大の科学へ−」、ダイナースカード会員誌「シグネチャー」の連載内容を加筆・再編集したものであり、散文的な内容であり、氏の他の著作と重なる内容の部分も多です。
とはいいつつ、福岡伸一の哲学的で美しい文章は、あいかわらずで、さらにダイエットの誤った知識を、分子生物学者の立場からばっさりと斬りすてる第3章なんかは、女性にもぜひ呼んでもらいたいし、十分に楽しめると思います。
【目次】
プロローグ ——生命現象とは何か
第1章 脳にかけられた「バイアス」 ——人はなぜ「錯誤」するか
第2章 汝(なんじ)とは「汝の食べた物」である ——「消化」とは情報の解体
第3章 ダイエットの科学 ——分子生物学が示す「太らない食べ方」
第4章 その食品を食べますか? ——部分しか見ない者たちの危険
第5章 生命は時計仕掛けか? ——ES細胞の不思議
第6章 ヒトと病原体の戦い ——イタチごっこは終わらない
第7章 ミトコンドリア・ミステリー ——母系だけで継承されるエネルギー産出の源
第8章 生命は分子の「淀み」 ——シェーンハイマーは何を示唆したか
あとがき
驚いたのは、福岡氏がライアル・ワトソンの近著2作の翻訳を行っていたこと。本作内でも、デカルトの生物機械論(いわゆるカルティジアン)のアンチテーゼとしてワトソン氏の著作を紹介している。
ライアル・ワトソンは、超常現象についてや、百匹目のサル現象の創作などで、とかくあやしいおじさんとして取り上げられてますが、GEROPPAは大好きなんですよね。代表作「生命潮流」は、もっとも影響を受けたいくつかの本のひとつです。
そういわれてみると、福岡伸一の中にワトソンと重なるニューエイジャー的な思想が見えてくるような気がします。
ワトソン氏作、福岡氏訳の「エレファントム思考する豚」(邦題)は、年内に発売されるらしいので、こちらも楽しみです。
工作舎
売り上げランキング: 104497
数字化できないことの、夢の力。
100匹目のサルの嘘
ファンタスティックに歪められた御都合主義の超科学
ライアル・ワトソンの主著