えー、すごく久しぶりの更新です。
長らく、入出力不全(体というか頭がね)に陥っており、まったく更新できておりませんでしたが、また、ボチボチと更新していきます、どうぞよろしく。
そんなことで、入力不全の回復に貢献してくれた、ありがたい本をいくつか紹介します。
相変わらず出力の方は不全(というか、もともと、たいしたスループットじゃない)ですのあしからず。
まずはコレね。
森博嗣「スカイ・クロラ」シリーズ(全5巻)
スカイ・クロラ
1巻「スカイ・クロラ」、2巻「ナ・バ・テア」、3巻「ダウン・ツ・ヘヴン」までは、文庫で買って、4巻「フラッタ・リンツ・ライフ」、5巻「クレィドゥ・ザ・スカイ」は単行本で購入、後に文庫で購入していた、前3巻の単行本もコレクション用に購入です。
読み始めると、とてもじゃないですが、文庫が出るまで待てませんでした。(5巻で完結というのところが絶妙だしね)単行本の装丁の美しさがこれまたすばらしい。
最終巻の「クレィドゥ・ザ・スカイ」(物語の時系列では「スカイ・クロラ」が一番後)では、一人称がそれまでの主要な物語の語り手である、「カンナミ・ユーヒチ」「クサナギ・スイト」「クリタ・ジンロウ」のいったい誰なんだろう???って感じで最後まで物語が進んでいく。
いったい、だれなのかわからない、自我が揺らぎながら錯綜する語り手。
「自我だって、自分がだれかもわからないのに!」。
と、まあこんな感じですが、徐々に自我の不安定な語り手「僕」と、物語の主題とがリンクし、読み手である自分はというと、いつのまにか、語り手である「僕」に、どっぷりと感情移入し、『「僕」は一体だれなんだぁー!』っていう自己同一性の危機に陥っている。
このシリーズに登場する、彼ら、死ぬことのない永遠の子供たちである「キルドレ」は、戦闘機のパイロットとという命を賭したもっとも死に近い任務につくことにより、運命に、生に死に、向き合っている。
永遠の生とは、どれだけ残酷なことであろう。
どれほどの罪を背負いながらも、
どれほど悲しみを繰り返しながらも、
永遠に生きて行かねばならない。
彼らは、永遠の生を知るが故に、死を焦がれるほど渇望する。
自らの生を賭しても得られることのない死を。
彼女はただ一つを望んだ。
僕に殺してほしいと。
それで、僕は、彼女を殺した。
それが、僕の唯一の望みになった。
もし僕が殺さなかったら、彼女は自分で自分を殺しただろう。
それではあまりにも孤独だ。
(スカイ・クロラ)
押井守監督で、来年アニメ映画化されるらしいので、こちらも注目ですね。
ナ・バ・テア
ダウン・ツ・ヘヴン
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フラッタ・リンツ・ライフ
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クレィドゥ・ザ・スカイ