まあ普通、一時的に高熱が出ても死にません。
「だいたいね、いつも大げさなのよアンタは。」
というふうに、病気の度に、どれだけツライかを、声高に大げさに、アピールしまくりの大騒ぎなので、我が家では、すっかりこんな評価が定着しています。
しかし、今回は結構ハードでしたね。突然ひどい悪寒とともに震えがとまらなくなり、そうかと思えば、ひどい熱。朦朧とした意識の中で見る、天地創造から現世に至る、壮大な人類の歴史のドラマが、現れ、消えていく、あるときはジュラ紀の巨大恐竜の下を飛び回る羽虫に、またあるときは、クロマニヨン人の出現によって滅びの道を歩むネアンデルタール人。厳しい戒律の中で迷える人々に光を指し示す、中世の修道師。戦国の世に屍の山を乗り越えながら、狂気のごとく生き延びることを渇望する雑兵。幻覚だか現実だかわからないような世界、起きてるのか寝てるのかわからないようなな感覚は、またとない(もういらないよ)貴重な体験でした。
なんだかほんと、神懸かり的な感じというかなんというか。もしかしたら古の予言者達は、熱にうなされているうちに、すんごい予言が「キターッ」って感じに勘違いしちゃったんじゃないのかななんて思います。
熱もやっと下がり、ふと窓の外を見ると、そこにはこんな顔。
ワン・ワワワン・ワン(訳:遊んでくれー!)
「このぉ、人の病気もかまわず」と思いながら、なぜか少しづつ、力が湧いてきます。