国家の品格
藤原 正彦
新潮社
2005-11
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ウチの息子も中学1年生。
説教すると、「そんな事、なんの意味がある?」なんて生意気な口をきくようになってきました。
ぶゎっ馬鹿者ぉー!屁理屈言うなぁー!!
貴様には、この本に引用されている会津藩「什の掟(じゅうのおきて)」をくれやる。
会津藩(什の掟)
一つ、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二つ、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三つ、虚言を言うことはなりませぬ
四つ、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五つ、弱いものをいじめてはなりませぬ
六つ、戸外で物を食べてはなりませぬ
七つ、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです。
最後の「ならぬことはならぬものです。」ってのがいいですね。
実社会では普通、誰の言うことも一応、論理的には筋が通っているものです。
メチャクチャなことを言うのはよほどオカシイ人だけ。まあそういう人もけっこういますが、普通の人の言うことなら一応、論理的な筋だけは通っている。
そうした「論理的に正しい」ものがゴロゴロある中から、どれを選ぶか。その能力がその人の総合判断力です。それはいかに適切に出発点を選択できるか、が勝負です。別の言い方をすれば「情緒力」なのです。
物事を理解する上では、まず自分の立ち位置が必要です。
親が子供にしてやることで大事なことは、この最初の立ち位置を教えておくことが大事。
これがあって初めて、これからいやと言うほど、自分の前に立ちふさがってくる、不合理や理不尽と向かい合えるんじゃないかな。
筆者は本書の中で「論理だけでは世界が破綻する」と主張しています。
これはdankogaiさんのブログのエントリー『「理」の進化論』でも語られおり、こちらでも論理の合理性の欠如について鋭く突っ込んでいます。
生理は論理より合理的。イヤなヤツの理路整然とした説教が正しいのはわかってても、腑に落ちないのはこういうことなのね。