なんかかなり、内容に対して公開日が遅れぎみになってきました。書きためてたシリーズ、これにて終了です。
今夜の宿は、品川プリンスホテル、東京出張の定宿です。夜は隣接する映画館で「ALWAYS三丁目の夕日」を見ました。
舞台が昭和33年の東京という設定なので、もちろん自分には知らない時代であり、場所であるのだけれども、当時の町並みや、クルマ、人物の服装や髪型、家具や様々な小道具など、画面の隅々まで細心の注意を払って、忠実に再現されているんだろうなぁっていう感じがしました。
こういうところは、私的には映画を見る上で実に重要なポイントです。画面作り(特に時代考証など)に手を抜いている作品は、もうそれだけでダメなので、CGをフルに駆使して、すでになくなった世界を表現するっていう、このこだわりには大いに拍手を送りたい。
っていうところなんでしょうが・・・、なぜか、リアリティを感じないんですよね。
映画の中での東京の風景は、美しくノスタルジックで、良くできたアトラクションの中にいるよ
うな感じです。当時の生活の、不潔であったり猥雑であったりするところもしっかりと描いて欲しかった気がします、そうすることによって、ラストの夕景の美しさへの感情移入が違ったんじゃないかなと。
まあ、しかし、西岸良平の原作の雰囲気を出そうとすれば、こういうふうになるのが正しいのでここのところは、これでいいんでしょうね。
もう一つ私的映画へのこだわりポイントである、キャスティングは大成功しています。
中心となる登場人物、吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、堀北真希、子役2人と、みんないいですね。
堤真一は、キャスティングに困ったときのとりあえず押さえ役者(他に佐藤浩市とか鈴木京香なんかがそう)の一人だ!と明言しとりましたが、申し訳ありません堤さん、私が間違っとりました。あんたぁ輝いてたよ。
で、ただ一人、小雪のキャスティングが??です。演技も完璧で、美しさも尋常じゃないんですが、この役をやるにはキレイ過ぎじゃないの?。当然、さっきのリアリティってことでいうと、かなりマイナスです。
茶川から指輪を贈られるシーン、小雪じゃなかったら絶対CGだよって思うぐらい長くて美しい指とてもこの世のものとは思えません。ストリッパーくずれの場末の酒場の女の指じゃありませんね。昔で言うと、美保純とか、石田えり、なんかが演じるところの役ですね、今だと寺島しのぶとかでしょう。
ということで、また、色々といちゃもんを付けてしましましたが、薬師丸ひろ子の「子供の事を心配しない親なんているわけないじゃないか」のシーンとか、茶川と淳之介の別れのシーンでは、思わず涙してしまいましたよ。
良い作品ですね。