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スカイ・イクリプス@森博嗣(中央公論新社)

「スカイ・クロラ」シリーズの最新刊ですね。

今までの一連のシリーズとはちがい、短編集です。

シリーズファンには、映画公開(8/2)と同時期ということで、こりゃ買わずにはいられません、見つけるや否や即購入です。(シリーズ各巻ともに、さまざまな空の写真の装丁が美しい。)

スカイ・イクリプス
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森博嗣

中央公論新社
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おすすめ度の平均: 5.0

5 シリーズ全て読んだ人に送る短編集
4 スカイ・クロラシリーズは全て読んでいます
5 このシリーズがとっても好きな人へ
5 熟読玩味する。

この「スカイ・イクリプス」ですが、シリーズ5巻すべてを読んでいないとわからない(読んでてもよくわからないけど)内容です。

今までのシリーズ同様、主人公が誰なのかわからなかったり、入れ替わったり、あのときの、あの登場人物の記憶は、実はこの人物のものだったのかってことだったり。

記憶とは、皮膚に刻まれるしわのようなものだ。

人は老いと引き換えに、記憶を刻んでいく。

記憶することを、死ぬことを、選んだのだ。

死を手に入れることで、生きていることを知る。

という部分(正確な、引用ではないですよ。)に、シリーズのテーマが見えるようなきがしました。

余談ですが、表紙イラストが映画版キャラクターデザインを担当した、西尾鉄也氏バージョンのノベルズが発売されるみたいですね。絵的には鶴田謙二のが好きな感じですが、コアなファンならこれも買いそろえるんでしょうね。

こわれゆく世界の中で

真夏でも、インドア派&冷房嫌いのGEROPPA、今日はうちでビデオです。

ということで、今日の1本は「こわれゆく世界の中で(原題:BREAKING AND ENTERING)」。
何度も告白してますが、ジュリエット・ビノシュの大ファンです。

アンソニー・ミンゲラ監督作品ということでは、あの傑作「イングリッシュ・ペイシェント」に続いての出演です。ミンゲラ監督は、今年の3月に亡くなり、この作品が遺作となってしまいまったのが残念です。

今回は、ボスニアからロンドンに逃れてきた、ムスリム系(でも元旦那はセルビア系)の、母子という複雑な役柄です。運命に翻弄されながらも、決して投げ出さずに、すべてを受け入れて、前に進んでいく凜とした美しさを持った女性を演じられるのは、彼女以外には考えられないですね。

ま、ジュリエット・ビノシュが出てるって事だけでも、5割増しの評価ですが、それを差し引いてもすばらしい作品です。

こわれゆく世界の中で
こわれゆく世界の中で

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おすすめ度の平均: 4.5

4 途中からストーリーと意外性にグイグイと引き込まれた
5 関わるということ。
4 世界の中での、確かな幸せ。
4 痛いほど登場人物の心情が伝わってきます
4 それぞれのストーリー

ALWAYS 続 三丁目の夕日

今日は、映画「ALWAYS 続 三丁目の夕日」を見ました。

(C)2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会

大ヒットの上、数々の映画賞に輝いた前作から2年、今回の作品もさらに、パワーアップした完璧なVFXで昭和30年代を再現してますね、この徹底した画面造りだけでも観る価値十分ですね。もちろんストーリーや演出も最高で、たっぷり泣かされてしまいました。

またこの映画、キャスティングが最高!前作からの薬師丸ひろ子はもちろん、今回は手塚理美も味のある役どころで出てて、彼女たちに青春をささげた世代のオジさんにはたまらないです。

息子たちは前作を観てないので「人物の設定がよーわからん」とのことでした。
特に、なんで川渕(小日向文世)と茶川(吉岡秀隆)が、淳之介を取り合うのかとか、茶川とひろみ(小雪)の関係がわかってないと、入り込めないかも。前作を観ていない人はまず、チェックしてから行くほうがいいですね。

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版
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パイレーツオブ・カリビアン ワールド・エンド


(C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

いやぁ、文句なしです。
面白い。

公式サイト

久しぶりに、チョウ・ユンファ見ましたが、カッコイイ。
「男たちの挽歌」なんて、テープがすり切れるぐらい見てました。
佐古フィルムアカデミー(ごく身内の映画鑑賞会です)で、第1回アカデミー賞に輝いた作品でもありますからね。

関係ないけど、「劇団ひとり」と「チョウ・ユンファ(若い頃だけど)」が似てると思うのは、オレだけでしょうか?

そんな(?)チョウ・ユンファも加わり、脇役がどんどん醜くなることもあって、益々美しさが際だってるキーラ・ナイトレイ、ちょっと渋くなって男前が上がってるオーランド・ブルーム、その他ジェフリー・ラッシュに半魚人たち等々、個性的な大スターや脇役たちを堂々従えても、ジョニー・デップ(ジャック・スパロウ)の存在感は圧倒的にすごい。

とりあえず、シリーズ3部作は終わりましたが、ジョニー・デップ以外登場人物とキャストを入れ替えての4作目(新シリーズ)に期待ですね。

ショコラ

DVDで「ショコラ」を観ました。

ジュリエット・ビノシュのファンなのです。(ま、大ファンなんですけど)

ショコラ DTS特別版
ショコラ DTS特別版

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ある寒い日、モノトーンに沈む街に、娘と二人真っ赤な外套で現れた母娘。たどり着いたその村でショコラトリー(チョコレート店)を開店し、古めかしく堅苦しい村人たちの心を溶かしていくヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)。哀愁をたたえながらも、慈愛に満ち、そして勇気を与えてくれる、あの笑顔は、ジュリエット・ビノシュじゃないと出来ませんね。

ところで、彼女がアカデミー助演女優賞を獲得した、あの傑作「イングリッシュ・ペイシェント(1996)」以来となるアンソニー・ミンゲラ監督作品に出演した最新作「こわれゆく世界の中で」は、松山では公開される予定がないようです。

なんでだよ。

GWに観たDVD マッチポイント

マッチポイント

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目的は、もちろんスカーレット・ヨハンソンを見るためです。

「ロスト・イン・トランスレーション」以来、彼女の大ファンですからね。
彼女が主役級で出演している作品は全部観てます。
しかも、本作品は男を惑わせる、エロティックな役どころですからね、これは見逃すわけにはいきますまい。

GEROPPA的には、彼女を観られるだけでもOKなんですが、なかなか作品としての完成度も高い!

上昇志向の強い主人公が破滅へと向かっていく心理描写が絶妙ですし、単純な悲劇として終わらさず、作中のシーンや台詞が、いくつもの複線が張られたラストへ意外な展開もよい。
さすがウディ・アレンですね、脚本が素晴らしい。

先日の、「硫黄島からの手紙」は期待しすぎたために、ちょっとがっかりしたところもありましたが、この作品は逆で、いい意味で期待を裏切ってくれて、とても良かったです。

オススメです。

GWに観たDVD 硫黄島からの手紙

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硫黄島からの手紙

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言わずと知れた、クリント・イーストウッド監督作品 
劇場公開中に見逃したのでDVDレンタル開始を心待ちにしていた作品。
 
抑えた演出がいいですね。映像もモノトーンで硬質な寂寥感が美しい。大戦末期の日本軍の硫黄島に散る兵士の悲哀と、ただ愛するものを守るということだけを希望として、絶望的な戦いに挑む姿が悲しい。

クリント・イーストウッドが、同じ戦闘を舞台として戦闘した、両国の側から描かれた2作品、渡辺謙主演ということで、米国でもかなり話題性が高かったですが、作品としても非常に品質の高い作品です。

米国映画でありながら、日本語の演出・脚本も良くできていますね。ちょっと残念なのは、日本軍兵士が「ライフル」とか「ジープ」とか言うのはどうにも気に掛かかりました。