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【映画】トランセンデンス ~もしコンピュータに科学者の頭脳をインストールしたら~

正月なので、Netflixで映画でも観ようかと思ったわけでして、これを観ました。

 

基本情報

映画.com「トランセンデンス」
https://eiga.com/movie/79708/
なぜか公式サイトがリンク切れ。

torannsennsdensiao

製作総指揮 クリストファー・ノーラン
監督 ウォーリー・フィスター
主演:ジョニー・デップ、共演:モーガン・フリーマン
制作年:2014年 上映時間119分
原題:Transcendence

transcendence

あらすじ

ジョニー・デップ扮する天才人工知能科学者と同じく科学者の妻が、講演先で「行き過ぎたAI研究は人類への冒とく」とする過激派グループに襲われます。その際負った傷が原因でジョニデ扮する科学者は余命4カ月を宣告されるのですが、妻は、夫婦の研究成果である人間の頭脳をコンピュータへ移すという方法で夫を生きながらえさそうとし、それに成功する。コンピュータに移った科学者は人間の肉体から解放され爆発的な頭脳の自己拡張(シンギュラリティ的な)を繰り返し砂漠の街を自身を格納し、拡大し続ける巨大な量子コンピュータの砦を築く、そして…。

感想言うよ!

駄作です ★★☆☆☆

原題のTranscendenceとは「超越」という意味らしいです。
テーマとしては、人格としての個(アイデンティティ)の境界、頭脳と肉体が切り離された時の生と死、人類が抱える問題(病気・障碍・貧困・死)の解決、テクノロジーの功罪のような、自分としてはどストライクな設定なんですが…。

 

いちおう全米公開では大コケの前評判は知っての上でみましたが、まぁやっぱ駄作でした。
ひょっとして「話が難し過ぎて一般向けしないからヒットしなかった系の失敗作」で、それなら見ようによっては面白いかもと期待してたんですが…。

科学的なテーマの詰めや考察がいちいち甘いし、機械学習AIによる技術的シンギュラリティなんて話じゃなくて、単に科学者の脳を転写しましたみたいな、使い古された設定だったり。

なんというか、この映画を観た人に何を持って帰ってもらいたいのかがはっきりしないから、こちらとしても受け止めようがないもどかしさだけが残るという印象でした。ただ映像は美しいので、きれいで白塗りしていないジョニー・デップを見たいというファンの方にはよろしいんじゃないでしょうか?

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キャスティング

ジョニー・デップ
よくキャスティングできました。

レベッカ・ホール
よかったと思います。あんまり好きなタイプじゃないけど「それでも恋するバルセロナ」出てましたね。この人の演技でどうにかリアリティが出たんじゃないかな。

モーガン・フリーマン
あれ、俺は今、リュック・ベッソンの「ルーシー」見てたんだっけ?って思いました。
もうちょっと映画ごとに役作りかえてください。

スタッフ

監督:ウォーリー・フィスター

映像クオリティは高く美しいです。
サンクチュエリとしての夫妻の自宅の庭、砂漠の廃街、地下の科学施設等々さすがに予算がたっぷりかかってる。

脚本:ジャック・パグレン

この脚本がもっともダメなんだろうな。
というか映画の中にも出てくる反テクノロジー思想の「AIコワイ、ニンゲンコロス」的な人の批判を恐れたのだろうか?結局主張というか伝えたいことが中途半端で意見を集約しすぎてダメになったっぽい印象です。

製作総指揮 クリストファー・ノーラン
ほんとにかかわってんの?

トランセンデンス [Blu-ray]
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ということで「エクスマキナ」まだNetflix降りてこないからBluray借りに行ってこようかな。

「BS世界のドキュメンタリー BS20周年選 シリーズ ユーゴスラビアの崩壊」が面白すぎる

BS世界のドキュメンタリー BS20周年選 シリーズ ユーゴスラビアの崩壊

6月14日 から6夜連続でBS1 24:00~25:00で放送しています。
昨夜の2話まで、眠い目をこすりながらみたんですがこれはすごい。

宗教とか人種とかそういうことではなく、セルビアの指導者として表舞台に立った、ミロシェビッチという怪物を中心に、いかにして内戦に向かって国内が分裂していったのかが、実際の当時の指導者、首謀者、関係者の証言をもとに事実がひとつひとつ積み上げられ、検証されています。

宗教、人種、各共和国の遺恨の歴史など、どれも戦争が起こったきっかけであったことは確かだが、それらを利用した、各共和国の指導者間の謀略や政治的な駆け引き、だれがどのようにして、この内戦を主導していったのかがはっきりとわかります。

そもそも、GEROPPAがユーゴの事に強く興味をもったのは、故:米原 万里さんの「嘘つきアーニャの真っ赤な真実 」という傑作があって、この物語3部作のうちの1作「白い都のヤスミンカ」が強く印象にのこったのがきっかけでした。

主人公の少女ヤースナが語る故国ユーゴスラビアの首都ベオグラードの情景が息をのむように美しく、当時はまだユーゴスラビア連邦でしたが、内戦で破壊し尽くされた失われた国がよりいっそう悲劇的に対比され、なんでかの国にあのような惨劇がおこったのかを知りたくなったのです。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
米原 万里
角川書店
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どのような悲劇がおこったのかを知るには、この衝撃的な作品が必見です。
「ブコバルに手紙は届かない 」
激戦地ブコバルでの戦闘がえがかれた映像作品。

ブコバルに手紙は届かない [DVD]
アイ・ヴィ・シー (2002-08-25)
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おすすめ度の平均: 4.0

4 戦争と「民族」に引き裂かれる人々

 ユーゴスラビア連邦の歴史を知るには「石の花」がオススメ。名作ですね。
フィクションですから、史実としてはアレですが、作品としての芸術性がすばらしい。

石の花 (1) (講談社漫画文庫)
坂口 尚
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PARIS(パリ)@GWに観た映画

GW中に観たかった映画その2「PARIS(パリ)」観ました。

このブログでは何度も言ってますが、GEROPPAは主演のジュリエット・ビノシュの大ファンです。

ところが、ここ松山で彼女の作品をロードショーで観られるチャンスはほとんどありません。
ということで、劇場でジュリエット・ビノシュを観られる今回は、とても貴重な機会なのです。

で、作品のほうはというと、ジュリエット・ビノシュ中心にざっと説明すると、

心臓病を患い、余命幾ばくもない元ダンサーの弟ピエール(ロマン・デュリス)が、ひとり暮らすアパルトマンに、同居してく役所勤めのシングルマザー(子供3人)の姉エリーズという設定です。

そして、彼らと関係あったりなかったりの、市場で働く男たちや女、大学教授の男と奔放な女学生、教授の弟、カメルーンからパリを目指す労働者、ホームレス、刹那的に生きるセレブな女たち、とにかくたくさんの登場人物たちのパリでの日常が描かれます。

特徴的なのはピエールのムーランルージュでのダンスシーン、アパルトマンのパーティーでのダンスシーン。教授のダンス、ジャンの家でのエリーズのダンス。エリーズの子供たちのダンス。数多くの印象的なダンスシーンが登場すること。

また、ピエールがアパルトマンのテラスから外を眺める時にいつもバックに流れる、エリック・サティのグノシェンヌ1番がとても悲しくて美しく印象に残りました。
 

なにしろ、フランス映画なんで、内容には最初っからあまり期待していなかったのですが、セドリック・クラピシュ監督の映像と演出はとてもよかったです。

フランス映画嫌いの人にも、男女の愛が描かれているけど、際どいからみのシーンもなく、設定のわりには、陰鬱さもありませんから、おすすめですね。

ぜひ、大人同士のカップル(夫婦でも全然OK)で観たい映画ですね。
予告編に「それでも、誰か愛したい」という言葉がありますが、まさにそんな気持ちにさせてくれる作品です。

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2 ダメ
5 サティワールド全開!!

グラン・トリノ@GWに観た映画

GW中に観たかった映画のひとつ

グラン・トリノを観ました。

クリントイーストウッド監督作品で、しかも本人が出演するのはこれが最後ということです。
もちろん、これは見逃すわけにはいきますまい。

で作品ですが、こちらももちろん期待に違わぬ、すばらしい内容でした。

クリント・イーストウッドの監督作品としては、宗教・人種といった問題提起はありますが、ストーリー展開は、概ね万人受けする起承転結のはっきりしたもので、ラストも決してハッピーエンドではないとはいえ、ちゃんと正面から受け止められるような内容です。

ミリオンダラー・ベイビー を観たときのような、劇場を出た後も、長い時間、観客に映画のことを考え続けることを強いるような、そういったことはありません。

全米で公開と同時に大ヒットしたというはもっともだと思います。

エンターテイメントとして素晴らしいし、疲弊したアメリカの心を、グラン・トリノとイーストウッドが蹴っ飛ばしてくれるような爽快感もあります。

しかし、そこには、彼一流の、とても大きな大きなテーマである、人種・宗教を越えた人間同士の深いつながりが、一貫したテーマとして描かれています。

イーストウッド演じる、主人公は、フォードの工場一筋でずっと勤め上げた、ポーランド系のウォルト。
隣人一家は、モン族というアジアの少数民族、そして近隣のその同族たちとやギャング。
イタリアンの床屋に、アイリッシュの工事現場監督、おまけにウォルトの息子は、トヨタのセールスマンで愛車はもちろんトヨタ・ランドクルーザー。

作品では、現代のアメリカの雑多な人種の中で、比較的早くから社会の中でその礎を築いてききた、ヨーロッパ系移民と、あたらしく社会に溶け込もうとするアジア系少数民族移民を対比させ、また経済をはじめ産業としてアメリカの代名詞でもあった自動車産業の衰退と外国企業の台頭。
古いアメリカから、新しく変化していこうとするアメリカの今を、するどく切り取って見せている。

アメリカでの人生を終えようとするものと、アメリカで人生を始めようとするもの。
古いものがその役割を終え、新しいものが新しい国家を形作っていく、その繰り返しダイナミズムと自由さこそがアメリカであり、それはまったく別々にある個々の人種や、宗教単位の営みではなく、古いものから新しいものへ、人種・教を越えた、人間の営みとして、受け継がれていくべきものなのだということが語られているのだと思います。

それにしても、ちょっと重苦しい雰囲気を吹っ飛ばす、最後の「俺のぉ~ グラントリノぉ~」っていう歌がサイコーで大好きです。

スカイ・クロラ (The Sky Crawlers)@[映画]押井守監督作品

押井守監督の「スカイ・クロラ」公開日に観てきました。

森博嗣の原作のシリーズも好きな作品で、さらに押井守監督が手がけるってことで、

GEROPPAにとっては、かなり期待していた映画です。

作中では、主人公のモノローグで、次のようなセリフが語られます。

それでも……昨日と今日は違う

今日と明日も きっと違うだろう

いつも通る道でも 違うところを踏んで歩くことが出来る

いつも通る道だからって 景色は同じじゃない

永遠に繰り返されるような、日常の閉塞感の中でも、そこに希望は必ずあるんだということを、作品は語っています。

今回は、脚本を「伊藤ちひろ」さんが書いているということで、これがよかったですね。押井監督の脚本だと、どうもセリフが理屈っぽくなりすぎるんですよね。

映像のほうは、CGでの戦闘シーンの迫力が圧巻です。

精巧にCGで構成された戦闘機の質感や動き、カメラの視点、などどれもすばらしい。なんといっても空の美しさがすごい。

また、効果音ではエンジン、プロペラの音や、機銃の発射音、爆発音などリアルな迫力に圧倒されます。

押井作品ではめずらしく、俳優を声優に据えてますが、菊池凜子の「草薙水素(クサナギ・スイト)」は、クールながらもわずかにふるえるすこし甘い声が、とても印象的でいいですね。

加瀬亮の「函南優一(カンナミ・ユーイチ)」もぴったりはまってますし、谷原章介と、栗山千明は、ともすればボソボソと喋る他のキャラクターの中で、華やかさがあり、すごくいいバランスです。

映画のラストは原作と違う展開となりますが、1本の映画のストーリーとして完結させるには、これでいいでしょうし、このラストも好きですね。

あとエンドロールの後に、重要なシーンがありますので、最後まで席を立たないように。

いい作品なので、本作がヒットして、原作の各話のストーリー毎で、シリーズ化されることを期待してます。

イングリッシュ・ペイシェント

先日の「こわれゆく世界の中で」に続き、アンソニー・ミンゲラ監督、ジュリエット・ビノシュ出演の「イングリッシュ・ペイシェント」。


この作品は97年のアカデミー作品賞ほか、全9部門を受賞した作品で、詩的な脚本と美しい映像でがあ印象的なラブロマンスです。

しつこいようですが、ジュリエット・ビノシュの大ファンであるGEROPPA、この作品も、もちろん大好きです。

この映画は何なぜか度も観たくなるんですよね。GEROPPAも今回で4回目ぐらいです。

詩的なセリフと、切なくて美しいシーンの数々、特に主人公が息絶えた恋人を乗せて砂漠を飛ぶシーンの美しさが印象に残ります。

イングリッシュ・ペイシェント
東芝デジタルフロンティア (2002-09-27)
売り上げランキング: 36687
おすすめ度の平均: 3.5

5 魅せられます
5 原作の詩のような美しさを表現できている映画
1 単なる浮気妻との不倫愛の思い出話
4 胸に残るは切なさ
5 後世に残る傑作

崖の上のポニョ

ポォ~ニョ ポォ~ニョ ポォニョ

主題歌を歌ってる、女の子の声がホントかわいくて印象的ですよね、このフレーズが耳について離れません。

公開日の「めざましテレビ」に生出演して歌ってましたが、ぎこちない振り付けと、へんなオヤジのコーラスが、かわいらしさが引き立ってました。

で映画の内容はというと、メルヘンです。主人公が5歳という設定だし、小さな子供向けなんで、うちの中一の息子には、微妙に盛り上がりどころが難しかったみたいです。

このあたりは、もうちょっと幅広い層でも楽しめるように、物語の設定であるところの月の引力の影響とか、海の生き物たち(特に古代魚がわんさか)のところとか、もうちょっと押し出しても良かったんじゃないかなって思います。

ということで、もちろんすごくい作品なんですが、宮崎駿監督ってことで、期待が大きいいだけに、ちょっと残念な感もありです。

ジブリさん、公開前のプロモーションでハードル上げすぎてんじゃないの?

クワイエットルームへようこそ

休日に観たビデオ紹介シリーズ、2本目は、松尾スズキ、原作・脚本・監督のこの作品。

主人公の佐倉明日香は、OD(オーバードーズ:薬物の過剰摂取)で入院し、精神病院の閉鎖病棟の拘束病室(クワイエットルーム)で目をさます。


ここで繰り広げられる患者や看護士たちの日常と様々な事件。(このあたりは映画をみてね)

映画のラスト近く、 明日香が退院のとき、見送ってくれた入院患者達にもらった寄せ書きの色紙を、病院の玄関を出たあとすぐにゴミ箱に捨てます。

たぶんここにはもう戻らない、忘れはしないけど、思い出すことはない。



いい歳になると、人に迷惑をかけたり、迷惑させられたり、うっとうしかったり、うれしかったり、寂しかったり、うかれてたり、みんなそんなふうに生きてんだよってことが、ますますわかるのに。

愛すべきダメなヤツたち、多分これからもうまくやってけないだろうけど、ガンバレよ。

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)
角川エンタテインメント (2008-03-19)
売り上げランキング: 1380
おすすめ度の平均: 4.0

3 映画としてはまずまずの出来
4 友達の意見入れて星4つ
5 単純に面白いだけではない作品
4 それぞれの問題☆
4 内田有紀ってこんなに綺麗だったっけ?日本版「17歳のカルテ」




自虐の詩

この作品は、号泣する準備をしてから観ましょう。

原作は業田良家の同名の代表作ですね、こちらも感動の傑作です。

映画になると聞いたとき、「幸江」が中谷美紀で「イサオ」が阿部寛ってのはねぇ、ちょっときれいすぎないかい?このキャスティングで原作のペーソスが出るのかね。なんて思ってました。

が、さすがですね堤幸彦。映像の力で、見事にもの悲しくもありながらも幸福な世界を表現していますね。中谷美紀の演技はすばらしいです。

不覚にもぐっちゃぐちゃに号泣したあと
エンドロールの最後でまた・・・。

自虐の詩 プレミアム・エディション
ジェネオン エンタテインメント (2008-03-14)
売り上げランキング: 5346
おすすめ度の平均: 4.0

4 前半の卓袱台返しの連続技は必見
4 俺もちゃぶ台ひっくり返したい
5 時は流れ行き、そして私は生きている
4 自虐の美しさ
3 見事なキャスティング!

ヘッドマウントディスプレイ Vuzix iWear AV920

最近、コイツでビデオ鑑賞してます。

iWear AV920
posted with amazlet at 08.07.16
Vuzix Corporation

売り上げランキング: 9986

ちょっと近未来っぽいというか、ロボコップな気分になれてちょっとうれしい感じです。

ゴム製のアイパッドがちょっとキツイので、はずしてしまって、部屋を真っ暗にして見るといいですね。でもメガネを装着したうえにかけるのは厳しそうです。

ヘッドフォンが一体式なのですが、稼働範囲が少し狭いので、私の場合、ちょうどいいフィット感になりませんでした。音質にこだわるかたは、 別にヘッドフォンを用意した方がいいかも。

ベッドに寝ころんだまま 2m前に62インチ相当のサイズで画面が見られるのですが、まあ、画質はそれなりというか、画質にこだわる人にはものたりないでしょうね。

コレのPC接続用のVR920だと、簡単なウェブカメラみたいなのと組み合わせると 八谷和彦氏の視覚交換マシンみたいなのが簡単にできますね。やってみたいなぁ。